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2025.8.18
最近では売り土地の選択肢も限られてきており、
いわゆる「古家付き土地」も、検討対象に入ることが増えています。
こうした土地は、不動産業者が整備して分譲しているエリアとは違い、
以前からその土地を所有していた方が直接売り出しているケースが多く、
それに伴って、いくつか注意しておくべき点が出てきます。
今回は、そういった“古家付き土地”を前向きに検討する際に、
知っておいていただきたいポイントをまとめておきたいと思います。
まず、そもそもなぜ古い家を残したまま売るのか。
理由は主に2つあります。
ひとつは、解体費用の問題。
更地にするには当然ながら解体工事が必要で、
その分のコストを売主が先に負担しなければなりません。
売れるかどうか分からない状態でそれを行うのは、なかなかリスキーです。
もうひとつが「固定資産税の軽減措置」です。
家が建っていると、土地の固定資産税評価額が最大6分の1まで軽減される制度があり、
たとえば200㎡以内の敷地なら、評価額18万円の土地でも実質3万円で済むことになります。
こうした事情から、「売る側」としては古家を残したままの状態で
売却を進めることが少なくないのです。
古家付き土地を購入する際に、まずチェックしていただきたいのが「境界」です。
古いブロック塀や基礎が傾いていたり、破損しているケースが意外と多く、
それを撤去・やり直す場合には、思った以上に費用がかかってきます。
特に、基礎ごとやり替えが必要な場合は注意が必要です。
見た目以上にコストが跳ね上がるケースもあります。
次に「水道設備」。
古い住宅の場合、上水道を引き込んでいなかったり、
引き込み口が現在の規格に適合していない場合もあります。
そうなると、水道本管からの引き直しが必要になるため、
数十万円単位の追加費用がかかる可能性もあります。
購入前に、必ず調査しておくべき項目です。
「家が建っていた=地盤は問題ない」と思われるかもしれませんが、
必ずしもそうとは限りません。
実際、15年以上前までは、
地盤調査をせずに建てていた住宅も珍しくありませんでした。
ですから、既存住宅があったからといって、
“地盤改良不要”と決めつけるのは危険です。
もちろん、田畑を造成した土地よりは締まっている傾向はありますが、
調査結果次第で必要になる可能性は十分あります。
もうひとつ注意したいのが、近隣環境です。
古い住宅が建っているということは、
周囲の家も築年数が経っていることが多く、
そのぶんシロアリのリスクが高い地域である可能性もあります。
現在では、多くの住宅会社でシロアリ対策は標準仕様となっていますが、
念のため、新築時には土壌処理などを確実に行ってもらうよう確認しておくのが安心です。
以上、古家付き土地を購入する際に押さえておきたい基本的なポイントをまとめてみました。
こうした土地は、新しい分譲地よりも安価で広い傾向があるため、
うまく活用すれば、コストを抑えつつ理想の住まいを実現できる可能性も十分にあります。
だからこそ、事前に注意点をきちんと理解し、
「知らなかった」「想定外だった」とならないよう、冷静な判断が大切です。
今後、土地探しを進める中で古家付き物件に出会った際は、
ぜひこの記事を思い出していただければと思います。
それでは、また次回の更新で。