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2025.8.4
最近の住宅トレンドのひとつとして、
「フルフラット型キッチン」が人気を集めています。
いわゆる、キッチン前に壁や立ち上がりのない、
オープンなスタイルのものです。
このタイプのキッチンは、見た目の印象が非常に良く、
空間全体に開放感を与えてくれます。
インスタなどの影響もあり、デザイン重視で選ばれる方も増えています。
ですが、フルフラット型キッチンにはもう一つの特徴があります。
それは「片付けへの意識が自然と高まる」という点です。
常に人目に触れるため、出しっぱなしの調味料や道具があると、
空間の美観がすぐに崩れてしまいます。
だからこそ、自然と「片付けよう」と思えるわけです。
とはいえ、毎日の料理は想像以上に忙しいもの。
仕事から帰って調理をし、片付けまで完璧にこなすのはなかなか大変です。
そこで今回は、「きれいに保ちたいけれど、手間は最小限にしたい」という方に向けて、
弊社がおすすめしているキッチンのつくり方をご紹介したいと思います。
モノが増えるきっかけは、「置く場所があること」です。
特にキッチン前のカウンターや天板は、ついモノを置いてしまいやすい場所の代表格です。
実際、目隠し壁を設け、その上に厚みのあるカウンターをつくると、
「ちょっと置いておこう」が積み重なり、気づけば生活感が出てしまいます。
さらに、その天板は油や水が跳ねやすい場所でもありますので、
掃除がしにくい上に、物をどかしながら拭く手間も発生します。
こうした事態を防ぐため、弊社では「物が置けないくらい薄い壁」を推奨しています。
置けたとしてもスマートフォン程度。そこに“置く”という選択肢がないことで、結果的に空間がきれいに保たれます。
この仕様にすることで、
リビング側から見ても生活感が出にくい
モノがない分、掃除が圧倒的にラクになる
片付けの手間が減る
といった、見た目・衛生面・効率のすべてが改善されます。
私自身、決して几帳面なタイプではありません。
だからこそ、最初から「散らからない仕組み」を設計段階でつくることの大切さを、
身をもって実感しています。
キッチンは日常の中心になる場所です。
見た目の良さと日々の手間、このバランスをどう取るかが、
住まいの満足度を大きく左右します。
カッコよさを保ちつつ、
日々の掃除や片付けをラクにしたい――
そんな方は、ぜひこの“置けない壁”という考え方を取り入れてみてください。
それでは、また。