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2025.11.24

家づくりのコスト削減法(建築編3)
住宅展示場やモデルハウスへ行くと、
リビングダイニングはもちろん、寝室や子ども部屋も
ゆったりと広くつくられていることが多いものです。
しかし実際の暮らしを想像してみると、
多くの時間を過ごすのはリビングダイニングであり、
寝室や子ども部屋は「寝るときだけ使う空間」であることがほとんどです。
そう考えると、それらの部屋は
「最低限の広さがあれば十分」 ということになります。
昔の家は収納が少なかったため、
家具を多く置く必要があり、部屋を広くする必要がありました。
しかし今の家は収納がしっかり確保されているため、
物を部屋に置かなくても良い計画ができます。
さらに、子ども部屋は将来的に
“使わない部屋” になる可能性もある空間です。
子どもはいつか家を巣立っていくものですからね。
今回のテーマは「部屋の広さ」について
部屋の広さは、
「そこに何を置くか」から逆算するのが、最も合理的です。
ぜひ、置く家具を思い浮かべながら読み進めてみてください。
✔ 寝室は「寝るための部屋」
寝室は、その名の通り「寝るための場所」です。
また、多くの場合は寝室にクローゼットを隣接させますので、
ベッドの配置がそのまま広さの基準になります。
ベッドのサイズを整理してみると、
| 種類 | 幅 × 長さ |
| シングル | 90cm × 200cm |
| セミダブル | 120cm × 200cm |
| ダブル | 140cm × 200cm |
| クイーン | 180cm × 200cm |
例えば、セミダブルを2台並べて置くなら「2.4m × 2m」が必要です。
ここに通路を確保することを考えると、
6帖程度で充分に成立します。
通路幅も確保でき、ゆとりも生まれます。
10帖まで広げてしまうと、逆に余白が無駄に広くなってしまい、
「持て余す空間」になりやすいのです。
また、寝室は夜に使う部屋ですので、
「南向きである必要はありません」。
日当たりの良さは、寝室にとって優先すべき条件ではないのです。
✔ 子ども部屋も寝室と同様に
子どもは小さいうちはもちろん、
成長しても寝る直前までリビングで過ごすことが多くなります。
そして、いずれは家を出ていきます。
そのため子ども部屋も、
置くものから逆算して考えるのが合理的です。
多くの場合、
置くものは シングルベッドと勉強机。
そうであれば、4.5帖で十分ゆとりを持って使えます。
むしろ広くしすぎると、
「余白を埋めるために物が増える」可能性が高くなります。
(人は空いているスペースを見ると、つい埋めたくなる生き物です。)
モデルハウスに惑わされない視点を
モデルハウスや展示場は「広く見せる」ことが目的です。
しかし、家づくりでは
「必要な広さ」と「不要な広さ」を冷静に見極めることが重要です。
広さは、そのままコストに直結します。
だからこそ、
・本当に使う場所
・必要最低限で良い場所
を区別していきましょう。
次回は、広さを考えるうえで欠かせない最後の要素
**「収納」**についてお伝えします。
この部分を理解しているかどうかで、
使いやすさも、コストも、大きく変わってきます。
それでは、また次回。
