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家づくりのコスト削減法(維持管理編)

2025.12.8

家づくりのコスト削減法(維持管理編)

ここまで7回にわたり、建築費が高騰している現在において
「住宅ローンの負担を少しでも減らすために、
家づくりにかかる初期費用(イニシャルコスト)を抑える方法」について
お伝えしてきました。

しかし、家は手に入れて終わりではありません。
所有し続ける限り、維持管理というランニングコストがかかり続けます。

具体的には、
固定資産税・火災保険・地震保険・光熱費・メンテナンス費用・家電の買い替え…
といった費用です。

その中でも特に注意したいのが、
光熱費(中でも電気代) です。

電気代は、私たちが生活している限りずっと払い続ける費用であり、
その変動幅は住宅ローン金利の比ではありません。
ゆえに、家づくりの計画段階で対策を講じておくことがとても大切です。

その対策とは、
断熱性能をしっかりと確保したうえで
太陽光発電を設置することです。

今回は「太陽光発電を設置するべき理由」について

太陽光については、
「売電金額が下がって元が取れない」
という話を耳にすることもあるでしょう。

しかし、こうした声の多くは、
今の電気料金やパネル価格を踏まえない、以前の知識に基づいたものです。

✔ 売電金額が下がったからダメ、は誤解です

確かに、売電単価は10年前に比べると大きく下がりました。
しかし同時に、

  • 私たちが電力会社から買う電気の料金は大幅に上昇
  • 太陽光パネル自体の価格は大幅に下降

しています。

例えば、昼間の電気料金は
かつて 20円台 → 現在は 40円台。
太陽光パネルは
1kWあたり 60〜70万円 → 20〜30万円 の水準へ。

つまり、
今は「売って得する時代」ではなく、
自宅の電気を“買わない”ことで得する時代に変わったのです。

✔ 太陽光の費用は住宅ローンに組み込まない

もうひとつ大切なポイントがあります。

太陽光パネルの費用を住宅ローンに組み込んでしまうと、
返済期間が長くなる分、利息が大きく膨らんでしまいます。

そこで弊社では、
太陽光パネル費用は「10年返済」をおすすめしています。

確かに10年返済は住宅ローンより金利は高くなりますが、
返済期間が短い分、利息は大きく膨らみません。
複利は“期間が長いほど”負担が増えやすいからです。

さらに現在のパネル価格であれば、
返済中の10年であっても、設置しない場合より支出が減るケースが一般的です。
そして返済が終わった後は、
その効果が 大きくプラスに転じます。

平均的な試算では、35年間で比較すると、
設置した場合としなかった場合で 600〜700万円程度の差が生まれます。
ざっくり言えば、アルファード1台分です。

✔ 今後、電気代はさらに上がる可能性があります

日本はエネルギー資源を海外に依存しています。
地政学的リスクや戦争の影響により、
エネルギー価格は簡単に上昇します。

さらに、

  • 自動車のEV化
  • 生成AIの普及
  • 社会・産業の電化の加速

によって、電力需要は増え続けています。

そうなれば、電気料金は必然的に上がる可能性が高いわけです。

だからこそ、
「間違った情報」ではなく、今の時代に合った判断が必要です。

家は建てて終わりではなく、
暮らし続けながらコストが積み重なっていくものです。

ぜひ、イニシャルコストだけでなく
ランニングコストの視点も大切にしながら、
賢い家づくりにつなげていただければと思います。

それでは、また次回。

 

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